第三十五章~今頃ライバル!?~

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「アネゴ」 ――ドキッ 心臓が、大きく高鳴った。 (黒沢君!?) 思い切り、声が発せられた方向へと顔を向ける。 奈央子の頭の中では――《アネゴ》=《黒沢 明彦》と決まっているのだ。 返事が待ちきれず、とうとう行動に出たのか? そう思った彼女は、目の前の人物は絶対に彼だと思ったのだが――その答えは、全く正反対に違っていた。 「長…谷川、さん?」 視線に映ったのは、゛黒沢 明彦゛という男ではなく…゛長谷川 真名美゛という女だった。
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