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「アネゴ」
――ドキッ
心臓が、大きく高鳴った。
(黒沢君!?)
思い切り、声が発せられた方向へと顔を向ける。
奈央子の頭の中では――《アネゴ》=《黒沢 明彦》と決まっているのだ。
返事が待ちきれず、とうとう行動に出たのか?
そう思った彼女は、目の前の人物は絶対に彼だと思ったのだが――その答えは、全く正反対に違っていた。
「長…谷川、さん?」
視線に映ったのは、゛黒沢 明彦゛という男ではなく…゛長谷川 真名美゛という女だった。
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