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明彦の――自分に対しての、どうしようもないくらいの“優しさ”
そんな彼に、彼女自身…恥ずかしかった。
さっきまでの汚い自分。曝け出してしまった――見せたくなかった自分。
「…な、んで…そんなに、私に優しいの?」
「俺、優しくなんて…」
「――私、汚い……汚ぃ、人間…なのっ!こんな私…っアナタに、相応し…くないっ」
「何の…事?」
奈央子の言っている意味が、良く理解出来ず――明彦は彼女の両肩を掴んだ。
「何言ってんですか?落ち着いて――っ!」
彼を遮るかのように、奈央子の声は給湯室の外まで筒抜けになりそうな程に、全快に張り上げていた。
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