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自分達を見つめる、会社の野次馬が視線に飛び込んでくる。
「……――ゎ、たし…」
「…大丈夫、ですか?」
落ち着きを取り戻した彼女に、明彦はいつもと変わらない――優しさの籠った声を掛けた。
「ご、めん…なさぃ…ゎた、し今――…‥」
「……良いですょ」
わからないように、一瞬――ほんの一瞬だけ…奈央子は抱き締められた。
それは、冷静にさせる為だけだったのかもしれない…。
だが、その行動は…彼女の醜い部分を殺してくれたかのように――昂る(たかぶる)感情を、無くしてくれた。
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