第三十七章~痛み~

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「先輩…大丈夫ですか?」 心配した博美、その他の後輩達が、奈央子の状態を不安に感じ――給湯室へと駆け付けてきていた。 「何か、あったのか?野田君…君らしくもなぃ」 坂口部長の声がした。部下を心配し――不安で見にきてくれたのだろうか? 「……部、長」 「大丈夫か?」 「…はぃ」 他の部署の野次馬達も、奈央子の落ち着きに安心と――少しの落胆を残しながら、その場を去っていく。 彼女のそんな姿を黙って見ていたかのように…沈み掛けた陽の光は、容赦なく窓の隙間から差し込んでいた。
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