第三十八章~暴露~

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「人間なんだから、そんな感情も持ってて当たり前です――私は逆に、そんな先輩を見られて…正直に嬉しいです。 …――先輩、本音でぶつかってたでしょ?」 「…………」 「『汚い部分を持ってない人間は、いない』――現に、私も汚い人間の一人です…」 「加藤が?」 「そりゃ、そうですよ!…先輩にだけ話しますけど――私、実は“不倫”してるんです」 「嘘っ!?」 「本当」 「…――ぇ、相手は誰なの?」 「坂口 司」 「ぇ……えぇっ!?」 最初、その名前にピンとこなかったが――奈央子はすぐに理解した。
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