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自分の事よりも――彼女自身を、いつも気にしてくれていた。
…それは、奈央子が周りの人達をいつも気に掛けているのと同じで――…。
彼女が自分で出来ない分、明彦がそれを補って（おぎなって）くれていた。
そんな事――今までしてもらった事なんて、なかったから……奈央子自身も、凄く戸惑った。
誰かに相談した事なんて、一度もない…――いつでも一人で抱えて……解決してきた。
…でも、《彼》が目の前に現れてから――…‥。
流行る気持ちを何とか抑えながら、その足は…前へと進んだ。
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