第四章~あい違い~

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「アネゴ」 「――へ?」 気が付くと、目の前に明彦が立っていた。 「またボ~ッとして…何か、あったんっすか?」 「…………」 「朝も、大声出してたし――」 彼なりに、心配しているようである。 その瞳は、伺うかのように奈央子を下から見上げていた。 「心配……してくれたんだ?」 「そりゃ、心配しますよっ」 「どうして?」 「どうしてって――」     ●心の声● 『???何でだ?俺にも、わかんねぇ』 『ホントに、心配してくれてるのかな?』 『何か、理由がなくちゃ駄目かな?』 『ん~…黒沢君の思考って、中々掴めないのよねぇ』 『ほっとけなかったっ!!――なんて、恥ずかしくて絶対…言えなぃ』 『やっぱ、年かなぁ…』 『でもでも、何か言わなきゃっ』 『はぁぁぁ~』
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