第四章~あい違い~

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奈央子も明彦も、黙り込んでしまった。 心なしか二人共、顔が火照っているようにも見える。 (そうだよねっ!クヨクヨ悩んでちゃ駄目よ!この先、なるようになるでしょっ!! 大丈夫、大丈夫っ!) 奈央子は悩むのをやめ、考え込まないように決めた。 これから先、どうなっていくかは――実際、わからない。 だが、加奈に告げたように…なるようになるはずだ。 「コーヒー、飲む?」 「は?」 急に上機嫌になった彼女に、明彦も戸惑う。 「コーヒー、飲みに来たんでしょ?」 「コー…ヒィー?」 「違うの?」 「飲みっ!に来ましたよ?コーヒーっ!!」 何故か吃る(どもる)明彦。 そんな彼を不思議に感じながら――奈央子は明彦のコーヒーを紙コップへと注ぎ入れた。
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