第五章~ご飯当番~

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明彦が無自覚に喋った一言が、自分の中を満たしている。 (――どうして?) 「な~んか、秘密ごとですか?」 「っえ?」 驚いて振り返ると、博美が微笑みながらこちらを見ている。 「ぅうんっ、そんなんじゃないってば!」 「ふ~ん」 「…何?」 「“恋人同士”…みたいですね?」 「っっっな!?」 「冗談ですよ」 「…………」 博美の悪戯に呆れながらも、奈央子は用心した。 彼女は、少なからず知っているのだ。 明彦と一緒に暮らしている事は知らないにしろ――彼が、自分にアプローチしていた事を…‥‥。 奈央子は偶然にも見られてしまった、明彦とのメールのやり取りを思い出した。 (意外なとこで感が鋭いから…注意しなくちゃ) 奈央子は気付かれぬよう、その視線を博美へと向けた。
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