第六章~待ちわび~

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チャンネルのスイッチを入れる。 画面に映像が映し出され――丁度、天気予報中のアナウンサーが視界に飛び込んできた。 「気圧の谷が大きく――今夜から、明日朝方に掛けて…全国的に、非常に強い大雨となるでしょう。 今朝は晴れていた為、傘をお持ちの方も少ないと思います。 風邪など引かぬよう、十分注意して下さいね。 ――それでは、次のニュースです」 (……大雨?) 窓際のカーテンを、思い切り広げる。 「――っ」 料理の準備で全く気付かなかったみたいだ…。 既に激しいくらいの雨粒が、地面に容赦なく叩き付けていた。 「――ヤバっ」 明彦は、急いで携帯電話を握り締めた。
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