第六章~待ちわび~

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「はぁぁぁ…」 深い溜め息が耳を刺激する。 「ごめんなさいっ!」 手に握られている、バスタオルを掴む力が強まる。 「そう…じゃ、なくて――俺が、ここにいる意味は?」 「ぇ?」 「俺は、何の為に…ここにいるんですか?」 「…ぇ?え??」 懸命に意味をわかろうと、努力を試みるが――その表面上の欠片さえも掴み切れず、奈央子は瞳を大きく見開いた。
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