第八章~予兆~

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                「ん…ぅう……んっ」 中々、寝付けなかった。 あれから随分と時間は経過しているだろうに――夢の中へ入る事が出来ない。 奈央子はいつもよりも重い体を動かすと、台所へと足を忍ばせた。リビングでは明彦が寝ているのだ…起こすわけにはいかない。 忍び足で台所に到着すると、冷蔵庫を開け――中からミネラルウォーターのボトルを取り出した。 それをグラスに注ぎ、一気に飲み干す。 「ふぅぅぅ…」 大きな、深い溜め息を付き…ベッドへ戻ろうとしたその時――… ――フラッ 奈央子の体は、大きく揺れた。
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