第一章~自問自答~

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「…ぉはよぅ」 奈央子は、洗面台の前で歯磨きをしている明彦に挨拶をした。 「っあ、おふぁようごばぁいまふ!」 明彦は、歯ブラシを口に含んだまま…奈央子に返事を返す。 一緒に同居するようになってからの、いつもの光景だ。 奈央子は、再び鏡に向かって歯磨きを開始する、彼の姿を映した。 (――な~んか、当たり前になってるょね…) 「アネゴ?」 「っえ?」 ハッと我に返る。 「どしたんっすか?ボ~ッと突っ立ったままで――」 「…へ?」 「遅刻、しますょ?」
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