第九章~病弱彼女~

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いきなり口元を押さえられた奈央子は、その状況に驚いた。 「それ以上…言わないで下さぃ」                (黒沢君…) 「奈央子さんは、悪くないです…」 「…………」 「悪く……ないですょ」 ――優しい響き。 体中を覆っている苦しさも、和らいでくる。                                               「今日は、ゆっくり休んでて下さぃ…。きっと、日頃の疲れも一気に出たんですよ。良い機会だから――」 奈央子は黙って頷いた。
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