第十章~奮闘~

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「奈央子さん」 「ん?」 「何かあったら、電話して下さい」 「何言って――」 「昨日、言いましたよね?」 「…………」 「気分が悪くなったら…真っ先に俺を呼んで下さい」 「…………」 「わかりましたか?」 明彦に詰め寄られてしまう。 「はぃ…ゎかりました」 奈央子は、只…従うしかない。 その返事に満足したのか――明彦は満足そうに、彼女の頭を優しく撫でた。 「ちょっっっ!」 「行ってきますっ、ア・ネ・ゴ」 彼の無邪気な笑顔に、恥ずかしくて何も言い返せない。 「行って…らっしゃ、ぃ」 それだけしか、出せなかった。
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