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「奈央子さん」
「ん?」
「何かあったら、電話して下さい」
「何言って――」
「昨日、言いましたよね?」
「…………」
「気分が悪くなったら…真っ先に俺を呼んで下さい」
「…………」
「わかりましたか?」
明彦に詰め寄られてしまう。
「はぃ…ゎかりました」
奈央子は、只…従うしかない。
その返事に満足したのか――明彦は満足そうに、彼女の頭を優しく撫でた。
「ちょっっっ!」
「行ってきますっ、ア・ネ・ゴ」
彼の無邪気な笑顔に、恥ずかしくて何も言い返せない。
「行って…らっしゃ、ぃ」
それだけしか、出せなかった。
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