第十五章~鈍感なアイツ~

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そして明彦は、未だ右手に掴んでいる買い物袋を思い出した。 「っあ、今日は風邪に効きそうな食材買ってきたんで!作ってあげますねっ」 「大丈夫なの?」 「食べれない料理は、作りません!」 「そうじゃ、なくて…給料前だから――」 「何言ってんっすか?いくら俺の給料が今、少なくても…奈央子さんの面倒見るくらい、出来ます」 「…………」 「変な心配、しないで下さい」 「……はぃ」 「よしっ!じゃ、今日も台所借りて良いですか?」 「ぅん」 「待ってて下さいっ」 優しい笑みを浮かべ、明彦は奈央子に背を向けた。
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