第十六章~アネゴ~

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今更、言う事でもないが―― “アネゴ” とは、明彦が新入社員として東済商事に配属になってから奈央子に付けた【あだ名】である。 いつも後輩の為に、自分の事なんて後回しの奈央子。 そんな彼女を垣間見た明彦は、奈央子を尊敬する意味で――アネゴと命名したのだ。 まぁ――今となっては、その尊敬の念も…《一人の女性》を見る目に変わってきているのだが……それは、明彦本人も――ましてや、奈央子本人も…気付いてはいなかった。 そんな彼が発した一言に、彼女は瞳を見開き質問を返した。
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