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奈央子と明彦が、一夜を共にした事があった。
だが――あれから、そういった関係は一切無しでいこう!という話し合いの元、彼は彼女のベッドには用がない限り…近付いてはいけない事になっているのだ。
奈央子にしてみれば、本音キツすぎた条件だとも思った……だが、今更無効にするわけにもいかない。
彼女は素直になれない――《天の邪鬼》なのだ。
「謝らなくて良いょ…心配して、見にきてくれたんでしょ?今回は、大目に見てあげるっ」
「やった!」
子供のように、彼が無邪気に笑う。
――ドキッ
瞬間、鼓動が高鳴った。
今まで幾度も、明彦の笑顔は見慣れているはずなのに――。
(何ょ……これ?)
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