第四十二章~プロポーズ~

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               「く、黒沢っ!ちょっと待て、落ち着くんだっ!!」 先手を切って明彦を止めたのは、坂口部長だった。 「流行る気持ちはわかるが、時と場所を考えろっ!なっ?」 「…………」 彼の声に、明彦は彼女をエレベーターに押さえ付けていた腕の力を緩めた。 目の前では、息を荒くした奈央子が恥ずかしそうに顔を埋めている。 「……すみ、ません…」 自分のやってしまった事の重大さに、明彦は素直に謝罪した。     ●心の声● 『やべぇ…理性、完全に飛んでた』 『馬鹿っ!黒沢君の馬鹿っ!』 『……めっちゃ、可愛かった』 『こんなとこ見られて…もぅ会社に来れないじゃなぃ』 『止めてくれなかったら…マジでヤバかったし』 『…――恥ずかしくて、顔…上がんなぃ』 《若さの為せるパワー》 その場にいた誰もが、そう思った。
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