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帰り、約束通りよしちゃんが香緒ちゃんを迎えに来た。 赤くなったほっぺたを見て香緒ちゃんが思いきり顔をひきつらせたのを見て、よしちゃんが嫌がらせのようにお尻を擦って見せると香緒ちゃんがジリジリと後ずさる。 「悪かった」 「………な、何の事に対して…」 「あの男にした事、それから、押したぉ」 「あああああ!!!分かりましたぁぁ!!か、帰りましょう帰りましょう!!!」 香緒ちゃんはよしちゃんの腕を引っ張ると空回ったように「じゃぁねぇ」と帰って言った。 香緒ちゃん、余計目立っちゃってるよ… 「ねぇ、香緒と先輩ってぇ何か合ったの?」 「うん…喧嘩したんだって」 「え!!」 「でも、仲直りしたみたいだから」 春野君は「そっかぁ」と呟く。 「ね、ごめん…今日用事があるから私も先に帰っていいかな?クリスマス会の準備は…明日またするから」 「ん?いいよいいよ☆今日は悟も部活ないし♪」 「うん、ごめんね?」 私は教室を出てため息をついた。 きっと、山田君の中で百合さんの事は終わってないんだと思う…あの後、香緒ちゃんも私を慰めるために山田君は吹っ切れてるって言ってくれたけど、吹っ切れていないから掘り返して欲しくないんじゃないかな… まだ好きなのに、叶わない… そっとしておいて欲しいと思うよね… ただの友達に軽く言えるような事じゃないんだ… 告白する前に山田君には最悪の印象を与えたかもしれない…友達だと思ってくれてたのに… 考えて悲しくなって駅のベンチに座り込む。 「馬鹿だぁ………」 「誰が?」 「!?」 独り言に返事が返って来て驚くと、目の前には百合さんがニコリと笑ってしゃがみこんでいた。 「あぁやっぱり昨日の子だった。人違いだったらダッシュで逃げなきゃいけないとこだったわ」 ケラケラと笑う百合さんは隣に座っていいか聞いてくる。 あまり一緒にいたくないけど嫌とも言えず頷くと百合さんは隣に座って足を組んだ。 「…」 「私、斉藤百合」 「太田のりこです…」 「のりこちゃんね。」 百合さんはカバンをガサガサあさって、チョコレートを取り出すと「食べる?」なんて聞いてくる。 何がしたいんだろう…
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