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その4
あたしたちは、手をつないだまま、いつの間にか眠っていた。
目覚まし時計が、鳴る。
6時15分、か。
「おはよう!」
起きてきたあなたは、そう言ってあたしに優しくキスをした。
7時。
あなたは、仕事に出て行く。
「今日は何時に帰ってくる?」と、あたしはいたずらっぽく笑った。
あなたは、笑いしながら、こう言った。
「うん。連絡するね!」って。
その日の夜。
あなたから、電話がかかってきた。
「陽子?これから行ってもいいかな?食事どうする?」と、あなたは言った。
「えへへ。カレー作ったんだ。食べるでしょ?」
あたしは今日、午後からカレーを作ってた。
「うん。絶対に来てくれるって分かってたよ。信じてたもん♪」
そう言いながら、あたしはやっぱりカレーを作っててよかった!って思った。
あたしは、ドキドキしながらあなたを待つ。
あたしは今、あなただけを見ていたい。
あたしは、そんな風に考えることにした。
あなたとの日々は、穏やかに進んでいく。
あの日から、二週間が経った。
あなたは、いつもあたしの部屋に来てくれるようになっていた。
でも。
あなたはなぜか、あたしを抱いてくれなかった。
キスをしたり。
抱き合って、一緒に眠ったり。
でも。
あなたは、あたしを抱いてくれなかった。
どうしてだろう?
男の人って。
普通は、抱きたくなるんじゃないのかなぁ……。
あたしは、それが少し不安だった。
でも。
自分から、そんなことは恥ずかしくて言えなかった。
あたしは、ユカにあなたのことを相談した。
「うーん、たぶん大切にしたいんじゃないの?陽子のこと」って、ユカは言ってくれるけど……。
あたしは、幸せだった。
だけど。
あなたと、もっと深くつながりたかったの。
いつの間にか、池袋の街は、クリスマス一色。
クリスマスソングが、街に溢れていた。
あたしは、クリスマスをあなたと一緒に過ごしたかった。
でも。
あなたは、あたしと一緒にクリスマスを過ごしてくれるの?
あたしは、不安だった。
あなたに電話したときに、勇気を出して、こう聞いた。
「ねぇ、クリスマスイブなんだけど……」
「クリスマスイブ?もちろん、お前と一緒にいるに決まってんじゃん」と、あなたは笑った。
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