出会い

5/5
前へ
/16ページ
次へ
響き終わると、参加者は会場内を縦横無尽に歩き出し、そして思い思いの行動をし始めた ある者は、新郎を囲んで祝杯を何度も何度もあげ、そしてある者は、新婦を囲い、祝福の歌を歌い始めていた 「文子っ‼文子っ‼」 と私は、新婦達を囲んでいる、男達を眺めながら、文子に声を掛けた 「返事がない・・・」 と私は仕方なく、文子のいる方向に向いた 「いない・・・💦」 と思うと、私は立ち上がり、辺りを見渡した 「黒のワンピースに・・・ 花が紫のスズランのブローチはっと・・・」 と私は文子の顔と服装を、思い浮かべながら、文子を捜した 私はその場で辺りを何度か、見回したが、文子を見つける事が出来なかった 仕方なく、私は壁際に歩き出し、そして壁際に着くと、壁を左に見て、私は会場内を時計回りに、歩き出した 「いないなぁ~💦文子 何処っ‼?行ったんだろう‼?」 と言う言葉を頭の中で何度何度も呟き、そして私は壁際から会場中央を眺めながら、歩いた 「あぁっ~、いたぁ~‼」 と私は文子に向って、大声で叫びたかったが、文子が見つめている、青年を見て、思い止まった その青年は受付にいた、文子好みの青年だった 「さすがぁ‼文子っ‼ 今日は、気合い入ってる もう、ツーショットしてる❤ "ホワイト・ストック"かぁ~ いいなぁ~、私も・・・」 と、一瞬、私はよそ見をしてしまった 「ごっ、ごめんっ‼ ごめんなさいっ‼」 と私に一人の男が、手を差し出して来た 私は、一瞬、よそ見をした為に、この男とぶつかり、私は転んでしまったのだ 私はその男の手をしっかりと握ると 「お怪我はありませんでしたか? 大丈夫ですか?」 とその男は私を心配そうに見つめながら、私の手を優しく、引っ張った 私は立ち上がり、尻餅を着いた辺りの場所を手で払い、払い終わると 「こちらこそ、すいませんでした つい、よそ見をしてしまって あらっ、上着に口紅が・・・ 本当に、ごめんなさいっ‼💦」 と私は申し訳なさそうな表情で、その男に言った 「服なら・・・」 とその男は言葉を切ると、上着を脱ぎ、上着を脱ぎ終わると、上着の内ポケットに指を入れ 「これっ、私の連絡先です」 とその男は私に言うと、名刺を一枚、私に差し出した 私は、その名刺を受け取ると、その男は振り返り、何処かへと歩き出した 私は、暫く、その男の背中を、見送っていた
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加