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私達は、式場の前の大通りを右に曲がり、そして二つの目の交差点を左に曲がり、五分くらい歩くと、私の目に白い花達が映った
「ホワイト・ストック?
あの花が、ホワイト・ストック?
そして、花言葉は・・・
"永遠の愛"」
と私は頭の中で"永遠の愛"と何回も呟きながら、その花を、見つめ歩いた
「あっ、あぁ~
いたっ‼いたっ~いぃ~‼
なぁ~にぃ~‼
「ボ~‼」っと、しているよっ‼
友里子っ‼
ちゃんと、前を見て歩いてよ」
私は赤信号で立ち止まっていた、文子にぶつかってしまった
そして、文子は機嫌悪そうに、私に言った
「ごめん、ごめんね‼
文子っ‼
あの、お花畑に見惚れてしまったの
だって、あのお花畑の花、全て、花言葉は"永遠の愛"なのよ
文子だって・・・‼」
と私は文子に言うと、再び、私の頭の中は"永遠の愛"と言う言葉で一杯になってしまった
「あらあら、欲張りなのね
友里子は・・・
あの、お花畑のホワイト・ストック、全部の"永遠の愛"を誓われても・・・
幸せになるか?どうか?なんて、わからないわよ
逆に、その"愛"の為に、不幸になる事だってあるのよ
私は"愛"や"幸せ"より、"お金"を与えて貰った方が・・・
いいかなっ‼」
と文子は虚を見ながら、笑顔で私に言った
「友里子っ‼あっ、青信号
友里子、急いでっ‼
渡るわよっ‼」
と文子が私に言うと、私達は横断歩道を足早に渡った
「すっ、凄いわね
近くで見ると、より一層、綺麗❤
このホワイト・ストックのお花畑っ‼
ねぇ、文子っ‼
一本くらい、頂いても大丈夫かな
この、ホワイト・ストックっ‼」
と私は文子に言いながら、一本のホワイト・ストックに触れていた
「駄目っ‼駄目よっ‼
友里子っ‼」
と文子は私に向って、小声ながらも、厳しい口調で言った
「じょ、冗談よっ‼
文子、そんなに怖い顔をしないでっ‼」
と私はホワイト・ストックに触れていた指先をしまいながら、文子に言った
「ねぇ、友里子っ‼
私の化粧、落ちていないっ‼
この服、地味じゃない」
とお店の入口の前に文子は、立ち止まり、自分の姿を、しつこく、私に聞いて来た
「大丈夫っ‼、大丈夫よっ‼
私は、私っ‼
文子っ‼
変じゃない?‼」
と私も文子に、自分の姿を聞き返した
そして、お互いの身嗜みをチェックし終わると、ホワイト・ストイクの入口の扉を静かに開けた
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