快楽

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      物心がついた頃には、僕はもう、この快感を知っていた。     蝶や蛙、釣った小魚等、小さな生物の手足を引きちぎったり、眼を潰したりしていた。   その度に全身にゾクゾクと、微弱な電流が流れる様な快感を味わっていた。   母に見つかると「そんな事したら可哀想でしょ。やめなさい」と叱られていた。   僕は「はぁい。ごめんなさい」と答えていたものの、何が悪いのか分からなかった。     実際は今でもワカラナイ。 こんなに楽しいのに。     いちいち母に注意される事が疎ましく思った僕は、隠れて解体するようになった。        
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