偶然は唐突に。されど…

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今日も1日がそれなりに平和に過ぎた。世間では数十年と言う長い間、侵略者との戦争が続いているのだが、街は至って平和そのものである。 ────学校を終えて独り淋しく帰路につく少年がいる。 彼の名前は栗原 龍(クリハラ リュウ) この物語の主人公であり、後々歴史に名を残す事になる人物?…である。 リュウは現在18才。日本は福岡に住む高校3年生。 日本では数十年前から徴兵制度が始まり、高校を卒業すると自動的に最低3年間軍隊へと入隊することになる。それは地球外生命体からの侵略に対抗する為の苦肉の策だった。 侵略者と呼ばれる地球外生命体の姿形は人間に近いのだが、身体機能など様々な面が人間より優れている上に、魔法による攻撃でしか止めを刺せない厄介な存在だ。よって、軍に入隊すると必ず魔法に関する適性検査と結果によるクラス分けがなされる。 とは言え、リュウにとってはどうでもいいこと。戦いや人類の事など知ったことでは無い。 190㎝、85㎏と体格はどこぞの格闘家並みにいいのだが、ボサボサの黒髪は手入れすることなく伸びたまま放置し、前髪は顔を半分隠してしまって目は見えず、せっかくの体格も猫背のお陰で小さく見える。 まさにオタクかいじめられっ子と言った風貌だった。友人も非常に少なく、独り淋しく家へと歩いている。
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