偶然は唐突に。されど…

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この世界にはLevel(レベル)と言うものが存在する。簡単に言えば強さを表すのだが、年齢くらいのLevelが標準と言え、だいたいは35~40才辺りをピークにまた衰えていく。 つまり、この世界でLevel40以上ともなればそれは強者を意味し、約40年に渡って経験をつんでピークを迎える訳だから、そう簡単にそれ以上のLevelには上がらない。 さらに、不思議な物でLevelが上がれば様々な能力が上がり、この世界の肝とも言える魔法もLevelによって使える能力や威力も上昇する。 とは言え、全てにおいてLevelが強弱を決めてしまうほど単純なものでもなく、やはり個人差があり、特性に左右されやすいものである。だが、Levelは強さの基準にはなる。 ──リュウは右腕を顔に近づけると、腕輪に付いているスイッチを押した。すると腕輪は小さなビジョンを投影し、様々な個人情報を写し出す。 この腕輪は簡単に説明するならば携帯電話みたいな物で、個人情報の管理から通信、通話など様々な機能を搭載した優れ物だ。 そのビジョンに映ったリュウの情報を見てみると…… 【Level12】 小~中学生並のレベルだった。つまりリュウは弱い部類に入るのだ。 しかしリュウ自身は特に気にする事もなく、逆に自分が戦争に巻き込まれる事は無いだろうと安心している。 『国のため、世界の為に戦うなど馬鹿らしい。死んだらそれで人生終了だ』 リュウの口癖であり信念でもある。 静かに平和に長く生きたいと常々願っているリュウ、今日も何事も無い平和な1日が過ぎていく。
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