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雅紀はとにかく逃げようとした。しかし、逃げる間も無くトカゲ男は雅紀の方へ向かってきた。
―殺される……!
雅紀はそう思い、咄嗟に手を前に突き出した。すると、いきなり雅紀の手から衝撃波が発生しトカゲ男を吹っ飛ばした。
雅紀は今、自分が何をしたのかまったく分からなかった。
しかし、今逃げなければもうチャンスはない。雅紀はそれをはっきりと認識していた。
雅紀が出口へ向かって走り始めたその時、トカゲ男は再び立ち上がり、いきなり大声で叫んだ。
雅紀はその同じ人間とは思えないその声に立ちすくんでしまった。
雅紀がトカゲ男の方を向くと、トカゲ男は青い光を纏いながら姿を変え、巨大化していった。その姿はトカゲでは無く、ネズミのような姿になっていた。
そして、トカゲ男は10m程度の大きさの怪獣へと姿を変えた。
「何でもありだな……っ!」
雅紀はそう言うしかなかった。仮に雅紀がさっきの衝撃波を自在に撃てたとしても、この怪獣には効くわけがないと雅紀にはわかっていた。
だから雅紀は走った。たとえ逃げられなくとも、それ以外に雅紀に出来ることは無かった。
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