騒がしい朝

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「はび、ずびませんでじだ」 朝っぱらからぼこられました。俺は悪くないのに………。 で、この暴力……美しいお方は巫 美鈴(かんなぎ みすず)。幼稚園から今まで奇跡の全て同じクラスと言う、究極の幼なじみ。 ついでに美鈴は巫財閥の長女であり、俺が通う学校『巫条学園』の生徒会副会長で、今度の選挙では会長候補No.1である。 「美鈴ちゃーん、やり過ぎよー」 「綺沙良さんも何をしてるんですか、もう」 「んー?もしかして美鈴ちゃん、ヤ・キ・モ・チ・?」 「んなっ!?そんな訳ないですっ!?」 「グフォァッ!?………何故に殴る……?」 「有栖が変なことするからだぁっ!!」 えー……理不尽じゃない?……第一変なこと言ったのは綺沙良さんでしょーが…… 「まぁまぁ痴話ゲンカはそのくらいにして美鈴ちゃん、下に行きましょ」 美鈴は「痴話ゲンカなんかじゃ……」とブツブツ言いながら出ていった。いや、痴話ゲンカではないが。 「有栖ちゃん、傷、大丈夫だった?」 「うんにゃ、ボロボロ」 美鈴は合気道3段です。 「ありゃりゃ。じゃあお詫びに、はい回復ー」 綺沙良さんが、痛かった腕に手を添えると、綺沙良さんの手から出たぼんやりとした光に包まれ、痛みが嘘のように消える。 「相変わらず、凄い効果ですね」 「ふっふーん、伊達にイギリスの大学を首席で卒業してないわよー」 実はこの人、正真正銘の魔女である。イギリスにあるらしい魔法学校を飛び級+首席で卒業しているらしい。 まぁ、魔法といっても、こうやって傷を治したり、たまにお菓子を出したりするくらいだが。 かという俺も、お菓子を出す魔法を教えてもらっている。傷を治す魔法はまだ練習中である。 綺沙良さんはこの二つ以外は今の所教える気はないらしい。 やる気になれば、ゲームのような魔法も使えるらしいが、綺沙良さん曰く「火を出すならライターで十分でしょ?それに攻撃魔法だって、それこそ銃のが速いし」らしい。
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