第2話

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「…そういえば、櫻井となんてメールしたんだ?」 「櫻井?お前菜緒ちゃんのこと名字で呼んでんの?」 「…まあな。」 …菜緒と二人の時は癖で 「菜緒」って呼んでしまうけど… 「中学のときは菜緒って呼んでたじゃん。」 「……別にいいだろ。」 …しょうがないんだよ。 「まあ、いいけど。…見てこれ!」 と言って見せて来たのは、ヒロと菜緒とのメールのやりとり。 「…なんかお前、メール控えめだな。」 俺はヒロのメールを見ながら言った。 「あー…うん。緊張すんだよ、菜緒ちゃんとメールすると。何打てばいいのかわかんねー(笑)」 「…ふーん。」 ヒロが恋愛でこんな控えめになるなんて珍しいな。 いつもガンガンアピールしていくのに。 …それだけ菜緒に本気ってことか… 「俺さー、今まで彼女とかいたけど、なんか本気じゃなかったみたい。メールするだけでこんなに緊張するのとか…菜緒ちゃんだけだし。」 「……」 「俺、まじがんばるな!」 「……ん、がんばれ。」 ヒロはいいよな。 素直でまっすぐで 羨ましいよ… 俺なんか… 菜緒を傷つけてばっかだし… .
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