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こっちをチラリと見ながらこんな事を言う中村の顔は、耳から首まで真っ赤だった。
ブチンッ!!!
俺の中で理性が切れた。
ガシッッッ!!!!
「…は?」
俺は中村の腕を掴むとそのまま教室を出た。
もちろん掴んだ腕は離さない。
「え?ちょっ何だよ杉田?!ってか手ェ離せテメー!ブン殴るぞ!!」
中村が喚いているが、俺はそのまま廊下を突き進んだ。
杉田は俺の腕を掴んだまま廊下を黙々と歩いている。
手を外そうとしても全く外れる気配ねーし…離せっつっても離さねーし…ホントに殴ろうか…?
そう考えていた時、ある事がふと頭をよぎった。
…そういえば…さっきブチンッて聞こえた様な……
……もしかして杉田………
……………怒ってる?
何でだ?流石の杉田でもノートの角はやっぱやりすぎだったか?
でっでも!アレは杉田が変な事を言い出したからとっさにやってしまった訳で!
大体俺が“おねだり”なんかする訳ねーし!!!
…なのに杉田が『可愛い中村が見たかった』って…
…何だよ……そりゃ誰だってムッとすんだろ……
そんな事考えてると杉田が急にピタッと止まったもんだから
「ぶっ!!」
杉田の背中にブチ当たってしまった。
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