1030人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
「…お前も昼間っから小野と…」
「黙れ!その口にタオルつっこんでガムテープで顔を覆うぞ!!」
「んな怒る事ないやろぉ?別に変な事やないし」
「破廉恥(ハレンチ)行為でしょうが!?」
「まぁまぁー…それにしてもよっちんドコいったんやろねー?」
『ここにいるけど?』
「「ギャアアアア!!!」」
『オイ人を化け物扱いすんなっ!』
さっきまで話の話題になっていた、よっちんこと吉野宏之(ヨシノヒロユキ)は僕らの会話にごく自然に入ってきた。
不本意ながら僕が女王様なら、よっちんは『清遊の子悪魔』。
「ビビった…あーよっちん。さっきヤスがよっちんの事すごい剣幕で探してたよ?」
「知ってるっつーの。…ったくあのハゲしつけーんだよ」
「いやいやアンタが財布を取るからでしょうが」
「いーや違うな!俺は財布に踊らされた被害者の一人に過ぎない!!」
「…それ言い訳って言うんやでよっちん?」
「うっ!…でも聞いてくれよ女王様!」
「聞かない」
「ゴメン聞いて下さい!!」
「仕方ないな」
「う~マジ最悪…」
「しゃーないってよっちん…洋史はそーいう奴やん……」
「で、何?」
「あ!そう聞いてくれよ!あっのハゲ野郎俺たちの記念日勘違いしてたんだぜ!?あり得なくね!?」
「「…記念日ぃ??」」
「そう記念日!それも付き合って1年5ヶ月目の!!!」
驚いた…意外にも子悪魔は乙女っ子らしい……
「何で?昨日だったの?」
「違ェよ今日だよ今日!!!なのにあのハゲ明日だと思い込んでやがって!!俺だけ真面目に覚えて浮かれてたって思ったらアッタマきたから財布盗んでやった!!!」
「……それはまた…」
「…なぁ?」
ちらりと健一と目配せをする。
「なっ…何だよ?」
「「よっちん、よっぽどヤスのこと好きなんだねぇ(やねぇ)」」
健一とそう言った瞬間、よっちんの表情が一瞬固まる。
最初のコメントを投稿しよう!