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「なぁ中村」
「しゃべんな。くたばれ」
「そんなにいつまでも拗ねんなよ、な?」
「消えうせろ」
「何だよ…そりゃ俺も悪かったと思うよ?でも誘ってきたのは中村じゃないか!」
「…俺がいつ誘ったんだよコノヤロォォォォォォ!!!!」
バキャッ
「ぐはぁ!!!」
楽しい楽しい昼飯戦争
「もーおっそいよ杉田くんに肉村くんー」
「誰が肉村だ」
さっきあのクズ(杉田)に散々ヤ……ゴホン。襲われて疲労困憊で寝ていたいというのに、安元さん経由で神谷さんから呼び出されてしまっては行かざるを得ない。
呼び出されたのは学食。
神谷さんに小野さん、そして安元さん達と昼飯を食う時は決まってここだ。
「いやーすんません兄さん」
「全くだよ。もうみんな来てるのに肉村くんたちごときが遅れるなんて…後輩が遅れてきていーのかなぁー?」
…っこの女王様め…人の苦労も知らないくせに……
「おい杉田。カツ丼買ってこい」
「分かった」
「お前の奢りな」
「え!?何で…」
「すーぎーたぁー」
「……買ってきます…」
しょげながらトボトボと買いに行く杉田が、途中でニヤァとしながら歩いていたのはあえてスルー。
……ち…ちょっと犬みたいだなーとか思ったりしてないからな!
「今日はいつにもまして扱いがぞんざいだねー」
神谷さんがけたけたと笑う。
「あれだけで済ませてあげるんだから安いもんですよ。俺ってば優しい~」
「自分で言っちゃ駄目だろ中村…」
「いいんですよ安元さん。ホントの事ですから」
「えー」
「えーって何ですか神谷さん…」
そう言いながら席に座ろうとした瞬間…
「いっでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」
「「「え!?」」」
俺の断末魔が学食中に響き渡り、周りの人から一斉に見られた。
はっ…恥ずかしすぎる……
「なっ中村?どうした?大丈夫か?」
「だっ…大丈…夫…です…」
「何?どうしたの中村?画鋲でも尻にささったか?」
「違ぇよ!…っ!なっ…何でもないですから!」
死んでも言えん……
腰が痛んで座れませんなんて………
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