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とりあえず気力と根性で何とか俺は席についた。
「いきなり殴るこたぁないんじゃないの中村くん?」
「いやビックリしたから」
「いやそれ理由になんないから」
「いやビックリしたから」
「あくまで押し通すのな…」
「ひっ…酷いぞ中村…」
ぐぐぐっと机の下から手が出て杉田が現れる。
「なんだ…回復が早いな」
「中村…俺は小野さんみたいにドMじゃないから…そんな…好きだから殴るみたいなヤンデレは受け付けてないぞ…」
「ちょっと杉田くん、僕だってそんなにドMな訳じゃないんだよ?ちゃんとSっ気だってあんだから」
「「え?」」
「オイ。何だその『あ、違うの?正真正銘のドMだと思ってたー』みたいな反応は」
「え?違うの?」
「違いますよ!ちょっと酷いじゃないですか神谷さん!僕たち仮にも恋人同士ですよ恋人同士!!」
「いや関係ないだろ…」
「てかホントに仮だけどね☆」
「うあーあんまりだー!」
「てかみんなご飯を食べよう!何のために学食にいるんだ!」
「あ、今のナイスツッコミです安元さん」
「あんまり褒められてる気がしないんだが…」
「いただきまーす」
「早っ!切りかえし早っ!」
「あー!ズルいぞ中村!せっかく中村と一緒にいただきますしようと思ったのに!!」
「キモ」
「ガーン!」
「神谷さん…」(チラチラ)
「「いただきます」」
「あっ安元くんとかぶったー」
「あ、ホントだ」
「ちょっ!何だお前安元!アレか?俺に対する挑戦状か!?いいだろう!受けてたとうその挑戦!神谷さんは俺のモンだ!!誰にも渡さん!!」
「かぶっただけでジェラシーを感じるな!大体俺はノーマルだ!」
「ホントキモい。お願いだから消えて?」
食べるまでにおよそ10分…俺のカツ丼はほとんど冷めてしまっていた。
嗚呼…せっかくのふんわり卵とあげたてカツのハーモニーが……
少しテンションを下げながら俺はカツ丼を口に運んだ。
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