1030人が本棚に入れています
本棚に追加
～Side S～
(…にしてもホント美しかったなー……)
ガタンガタンと優しく揺れる車内で、俺はさっきの彼を思い出していた
(何つーんだろ…こう、色気を含んだあの目にまず萌えた！何あの目？すごくキレイな黒で…そう！例えるならば黒真珠！！それに鼻筋もけっこうスッとしてるし眉もちゃんと整ってるし…
おまけにあの唇！ツヤがあってプルプルしてそうで、触れたら絶対に柔らかいに違いない！！あぁヤバイ…マジで惚れた……)
などと妄想で彼を思い出していてふと気付いた
(…あれ？でも俺ノーマルだよな？)
何故に男に一目惚れ？
そうだ、俺はその時はまだノーマルだった
まぁ今は中村一筋だけどなｗｗｗ
というか中村以外になんて誰も考えられないし、中村がいなくなったら俺生きていけないし！！
…と、話がそれた。
とにかくノーマルなのに男に一目惚れ、しかも普通の、女顔でも何でもない…いや美しいけど…
とりあえず男に惚れたという事実を改めてそこで思い知った
…だが
(…まぁ惚れてしまったんだから仕方ないし、それに好きという気持ちに男も女もあるか！とりあえず俺はあの人が好きだ！ああーまた逢えないかなー？)
…と至極素直に俺は自分の気持ちを受け止めた
流石俺…素晴らしい思考判断力を持っているとしか思えん…！
そんな事を思いながら目線を少しずらしたら
(嘘…マジで！？)
なんと逢いたいと願っていた彼をドア付近にて発見。
神様ぁぁぁぁ！！どんだけ俺に優しいのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！？
…ちょっとさっきより目元が怪訝そうだけど…
まぁ満員電車だし…仕方ないっちゃ仕方ないんだろうな…
それにしても本当に運がいい
何せ人生初の一目惚れをして、その相手を見失ったと思ったらまた逢う(←正しくは見る)ことが出来たんだから！！
きっとこれはアレだな、この前助けた猫の恩返しに違いない！
うんそうだ！そうに違いない！やっぱいい事をするといい事があるんだな！じぃさんの言う通りだ！
そんな感じで俺は彼をまたじぃーっと見ていた。
最初のコメントを投稿しよう！