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「ほ…ホントすみません……」
「いえ気にしないで下さい!俺は全然平気ですんで!鍛えてますから!」
俺は申し訳なさそうに謝罪する美人さんにニッコリと笑いかける。
「あ、降りるはずの駅とか逃したりは…」
(あぁ…!こんな時にも俺の心配をしてくれるなんて天使かこの人は!!)
「それも全ッ然大丈夫です!俺●野で降りるんで!」
「あ、僕もなんですよ」
「ああああなたもですか!?奇遇ですねこれまた!」
「ぇ…えぇ」
(ヤバイ!まさか降りる駅が一緒だとは…!!)
もうこの時は嬉しすぎて舞い上がりすぎて、彼が凄い苦笑いだったのも気付いてなかった。
「あ、そーいえば助けて頂いたのにお名前聞いてませんでしたよね?」
(…え?)
「え!おっおおおおれの名前ですか!?」
「他に誰がいるんですか…」
(まままままじでか!!?)
まさか名前なんて聞かれるなんて思ってもみなかった…神よ!俺、生きててよかったです!!
テンションがかなりハイになりすぎた俺は
「おっ俺!杉田智哉って言います!10月11日生まれのてんびん座!青春まっさかりの14才です!!」
「ぁ、ご…ご丁寧にども…」
自分の詳細なデータまで言ってしまった。聞かれてもない誕生日に年まで…しかも自分で『青春まっさかり』って流石に言いすぎじゃねーか…
なんて自分に失望していたら
「ぉ…俺と同い年?」
すごいびっくりした様な顔でこちらを見た。
「あ!やっぱりそうでしたか!」
「てっきり年上だとばかり…」
「あーよく言われるんですよねー老けてんのかなぁ?」
「いや、雰囲気が大人っぽいから…」
「えへへそうですかぁ~?」
(お…大人っぽい!雰囲気が大人っぽいって!褒め言葉キター!!)
もう頭の中はフィーバー状態。だがここで大事な事を忘れていた。
「あ!そーいえば貴方は!」
「へ?」
「貴方の名前!」
「あぁ。俺、中村悠斗っていいます」
「中村悠斗…いい名前ですね!」
「ぁ…どうも…」
「あっあのっ!せっかくだしお話しません!?それに同い年だしタメ口で!」
「べ…別にいいけど…」
「マジで!?よっしゃ!!」
そう言うと中村くん(今思うと新鮮だ…ww)は徐々に笑ってくれた。
その笑顔もまた可愛いくて、俺はもう死んでもよかった。
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