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誰かと出会うことはとても残酷でリスクの高いことだ。それが最愛の人ならなおさらだ。
永遠の命が保障されているのならそうは思わないのかもしれない。
でも、現実は違う。
どんな始まりにも必ず終わりはあって、その終着点は必ずやってくるのだ。
きみと一緒にいられたのはたったの二年だった。導火線に火がついた時限爆弾のように、出会った瞬間から別れへのカウントダウンは既に始まっていた。
永遠と呼ぶにはそれはあまりに短い時間なののかもしれない。でも、僕にとって、それは確かに永遠だった。
そして、僕はきみのいなくなった世界に取り残され、永遠の向こう側をたったひとりで歩いている。
きみのいなくなった広大な砂漠をあてもなくさまよっている。
きみと一緒にいられた二年間は誰かの手によって巧妙に造られたシナリオだったのだろうか。
もしそうならば、最初からきみに出会わなければよかった。
そうやって自分に言い聞かせていた時もあった。
でも、過去のどの一点まで時間を巻き戻したとしても、結果は変わらないはずだ。
結果として享受する今は、成るべくして成っている。何度やり直したとしても、きみと出会い、別れることを繰り返すに違いない。
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