ある朝のこと

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  夢をみた。 君は泣いて僕に謝り続けた。 そんな、夢。   今ちょうど喧嘩中だったから、夢で謝るなよ。と一人で夢の中の君につっこみ。   むなしい朝だ。   苦笑いしながらカフェオレを飲む。 コーヒーは飲めない。   そういやそのことで笑われたこともあったな。 君との思い出を振り返りながら甘いカフェオレを一口。   なんか急に君に会いたくなった。   今日会えたら君に謝ろう。 君は許してくれるかな。 笑ってくれるかな。 そんなことを思いながらテレビの電源を入れた。   ニュースキャスターが真剣な表情でニュースを伝える。 どうやら事故があったらしい。   遺族は大変だろうな、と他人事の僕。 キャスターが死亡した人の名前を発表している。     君の名前が、でた。     遺族は悲しむだろうな、と他人事の僕。 少しこぼれているカフェオレを一口。   甘いはずのカフェオレはしょっぱかった。
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