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「お~、竜。元気か?」
「何だ宏騎(ひろき)か」
声を掛けられて机にぷっつしていた少年──竜は起き上がる。
「最近眠そうだな」
「まあな。ちょっと……遅くまで起きてたから……」
「勉強か?あ、そんな訳ないか」
笑顔でサラリとヒドい事を言う友人の宏騎。
冗談で言っているのなら、まだ対処できるのだが、宏騎は本当に本物の天然だった。
別に悪気があって言っている訳でもなく、だから竜は怒るに怒れないのだ。
「彼女でも出来た?」
「なッ!!べ、別に!!」
竜は顔を真っ赤にして席を立った。
「どこ行くんだ?」
「トイレだよ」
竜はその一言を残し教室を出た。
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