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当時、起こるであろうと予言されていた複数の大地震があった。
関東地区をはじめ、東海地区や関西地区、九州や北海道に至るまで、数多くの予言が為されていた。
その中のいくつかはオカルト的な意味合いでしかなかったものもあったのだろう。
しかし、それは現実になってしまった。
破滅への道。
それがすべての終わりであり、また、終わりの始まりでもあった。
誰が想像しただろうか。
東京で起きた地震がきっかけに、全国的に大地震が連鎖したのだ。
人々は泣き叫ぶ暇もなく息絶えていった。
何人の人が死んだのだろうか。
僕のまわりには誰もいない。
あるのは灰色になった世界と
血塗れになった人々、
灰になった人々。
みんな死んでしまった。
「どうして僕は生きているのだろう…。」
僕の声だけが無音の世界に鳴り響く。
灰色の世界。
廃墟と化した世界。
こんな退廃的な世界に、僕はただただ立ち尽くすことしか出来なかった。
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