序曲~Ruin~

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食べる物がない。 空気が薄い。 臭い。 苦しい。 孤独感。 喪失感。 色彩のない世界。 そんな世界に、精神がおかしくなりそうだった。 生きる術が見付からない。 生きる意味が見付からない。 死ぬのが怖い。 生きるのも怖い。 僕は絶望した。 何も考えたくなかった。 …思い出せない。 何もかも。 僕の名前は? 僕の家族は? 僕の顔は? わからない。 何もわからない。 そんな僕に、何故だか笑えてきてしまった。 あぁ、憐れだな。 むしろ、何もわからない方がよかったのかも知れない。 後になってそう感じた。
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