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潰れたゴキブリ…。
僕はゴキブリの方に目をやった。
『コレ、食べられるかな。』
僕は炭になった木の棒を拾い上げて、それをつついた。
それは硬く、嫌悪感さえ抱く感触だった。
あぁ、それにしても、コイツは凄いな…。
こんな状況で生き延びて、潰されて、体液が外界に溢れ出してもなお、もがいている。
生きようとしている。
あ、こんな世界で生きてるなんて、僕もコイツと同じなのかな。
『はぁ…』
思わず、溜め息が溢れ出た。
じゃりじゃり…
「おぇっ」
僕は口に含んだ物を吐き出した。
ただの砂など食べられるはずがない。
ゴキブリ…。
やめておこう。
ゴキブリなんて食べるくらいなら飢え死んだ方がずっとマシだ。
「バイバイ。」
ぐちゃっ
ぐりぐりぐり
僕はゴキブリにトドメを刺した。
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