最果て

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辺り一面が砂漠の地帯で、僕は佇んでいる。 何をする訳じゃない。 何も出来ないから、僕は立っているのだ。 周りに何も無いと不安になる―― そう、僕が今立っている砂漠には何も無い。 僕の呼吸する音だけが微かに聞こえるぐらいだ。 水もなければ草木も生えていない。 かんかんと照り付ける太陽が次第に隠れ始める。 大きな黒い雲が太陽を隠す。 雨だ、と僕は思い久々の潤いを求める。 だが、雨は降ることなく暗黒の闇へと変わってしまう。 目の前は黒一色で染められ、足下は柔らかい砂の感覚がしない。 いつしか僕の周りは闇で覆われた。  
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