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二人で歩く病院への帰り道。
「さっきの話だけど」
「さっきの?」
「「好き」って、言ってもらうのは別にして、病気は治ると思うんだ」
「なんで?」
「信じる力はすごいんだって」
何の根拠もない言葉。
だけど、不思議とそんな気がしてくる。
彼女の言葉は、僕に勇気や元気を与えてくれた。
「あたしが治るって信じる。
だから、きっと治るよ」
「…そんなんで・・・」
言い掛けた僕に、彼女は僕にキスをした。
僕は、思わず手で突き飛ばしてしまいそうになる。
それを自ら下がって回避した。
「おまじない。
もっと力を抜いて、リラックスすればだいじょぶだよ。
あたしに気を遣う事ないし」
僕は黙って頷く。
「もう着いちゃったね」
気が付くと、もう病院が目の前だ。
ホントに時間が経つのが早く感じる。
「じゃまた、明日仕事帰りに寄るね」
「…来なくていいから」
俺は最後までこれか。
「なんてったって、暇ですから。
おやすみなさい」
彼女の事をどんどん好きになってく自分がいた。
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