九話 デート

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 寝る準備を整え、ベッドで横になる。 今日の事を思い出し、抑えてた感情を解き放ち、幸せを噛み締めた。 「…今日は、つまらない一日だったな。 誰が何て言おうと、全くつまらなかった。 無駄な時間を過ごしてしまった」 大きな声の独り言。  「どんだけ楽しかったんすか?」 隣りの青年が聞くが、自分の世界に入ってる僕の耳には届かない。 幸せって、こういうものなのかと、つくづく感じてしまう。 生きててよかった。 生きてれば、良い事があるって見本だな。 これからもずっと・・・。 心からそう思えた。 いや、思ってしまったと言うべきか。 その時、ドクンッと心臓が高鳴るのを覚えた・・・。
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