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コンコンッ。
「失礼します」
部屋に入ると、医師が深刻な面持ちで待っていた。
「お座り下さい」
「はい」
間があってから、医師が重い口を開いた。
「率直に申し上げます。
今日、念の為もう一度検査したところ、昨日に比べて急激に患部が膨らんでいます。
これまで以上に、病気の症状が出るかもしれません。
それに、脳が圧迫されて危険な状態だと思われます」
「耕太は、どうなるんですか?」
「手術で、その部分を切除しても、助かるかどうか・・・。
今は、安静にしてるしかないと思います」
母は、涙目になった。
「朝は、何であんな事に?」
父は、毅然とした態度で話を続ける。
「それが、よく分からないんです。
何の前触れもなく、突然あのような行動をとったようですし」
「そうですか」
「今は、誰とも会わない方がいいかもしれません」
「耕太は、ずっとあのままの状態で、過ごさないといけないんですか?」
母は、涙ながらに言った。
「今朝の行動の原因が分からない以上、また同じような事があるかもしれません。
しばらくは、あの状態で我慢してもらった方が、耕太くんの為かと」
母と父は、医師の言葉に従うしかなかった。
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