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三人は、急いで病室に向かう。
「少しでも、可能性があるなら、手術するべきだと思うか?」
父は、手術するかどうかを彼女に委ねようとした。
「はい!
助かるって信じてますから」
不意の質問にも関わらず、彼女は力強く応えた。
「それにしても、どうして異変に気付けたんだ?」
「ナースコールが鳴ったの」
普段なら、苦しくなればなるほど逆に助けを呼ばない。
「あの耕太が、苦しそうに「助けて」って」
涙ぐむ母。
「どういう事ですか?」
彼女の問いに父が答えた。
「耕太は、意識がない時や意識が薄れてる時だけは、誰にでもホントの事を言えるんだ」
「じゃぁ・・・」
それ以上は、怖くて口に出せなかった。
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