パターン2

4/5
66人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
 数年後。  香菜恵は公園のベンチに腰掛けていた。 その傍らに・・・僕はいた。 二人の優しい眼差しの先には、男の子と女の子がいる。  「天(てん)ちゃん遊ぼ」 「やだよ」 「一緒に遊ぼうよ」 「華愛(かな)ちゃんが、どうしてもって言うならいいよ」 「うん。 どうしても、天ちゃんと遊びたい」 「しょうがないなぁ~」  その光景を見ていた彼女は、僕に話し掛けてきた。 「好きって言って?」 「何で急に?」 「いいでしょ? お願い」 「昔の自分の言葉を借りるなら、【大嫌い】だよ」 僕は、少し照れながら言った。 「もぉ~。 やっぱり天真(てんま)は、あなたに似たのかしらね?」 彼女は微笑んだ。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!