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数年後。
香菜恵は公園のベンチに腰掛けていた。
その傍らに・・・僕はいた。
二人の優しい眼差しの先には、男の子と女の子がいる。
「天(てん)ちゃん遊ぼ」
「やだよ」
「一緒に遊ぼうよ」
「華愛(かな)ちゃんが、どうしてもって言うならいいよ」
「うん。
どうしても、天ちゃんと遊びたい」
「しょうがないなぁ~」
その光景を見ていた彼女は、僕に話し掛けてきた。
「好きって言って?」
「何で急に?」
「いいでしょ?
お願い」
「昔の自分の言葉を借りるなら、【大嫌い】だよ」
僕は、少し照れながら言った。
「もぉ~。
やっぱり天真(てんま)は、あなたに似たのかしらね?」
彼女は微笑んだ。
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