9人が本棚に入れています
本棚に追加
「……って。認められるワケないでしょ、そんな言い分。待ちなさい!」
ばんっ、手で押さえ、ドアを閉まりかける直前で止める。そしてナオミは、そのまま力任せにドアを押し開けた。寝起きのアンナはそれを支える事ができずに倒れ、尻餅をつく。
そんなアンナを、ナオミは睥睨する。その眼力にアンナはびくっと肩をすくませた。
「『眠いからキャンセル』ですってぇ?」
起き上がり、逃げようとするアンナ。
「そんなの論外に決まってるでしょ!」
しかしナオミは『逃がすか』とアンナの首根っこを掴んでいた。電光石火の速業。たぶん、寝起きでなくても逃げられないだろう。
「ナ、ナオミぃ~。本当に勘弁して~。徹夜3日で3時間しか寝てないのぉ……無理、限界ぃ~」
「無理でも起きなさい!」
涙目で抵抗するアンナの懇願を、問答無用とナオミは切り捨てる。
最初のコメントを投稿しよう!