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「んんぅ……もうそんな時間なのぉ~? でもぉ、まだアラーム鳴ってな……」
そう言って、アンナは携帯で時間を確認して『あら~?』と、間の抜けた声を出した。
「ナオミぃ。アラーム、鳴ってた~?」
「うん、盛大にね。止まるまで待ったけど、起きてこなかったから、こうして起こしにきたのよ。ホント、うるさかったんだから」
ナオミは非難を混ぜた視線をアンナに向ける。
アンナは『ごめ~ん』と、とりあえず謝る。
しかし、今のアンナは明らかに寝惚け顔で、おまけに「あ~」だの「う~」だの唸り続けている。正直、本当に起きているのかどうかも怪しいところだ。
「ちょっと、アンナ! しっかりしてよ。これから一緒に出かけるんでしょ」
時間もないんだし、とナオミは急かすが、アンナはまったく動こうとしない。
呑気に超特大のあくびをしている。ナオミの言葉など、どこ吹く風といった様子だ。
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