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「うぅー。」
悠久の時を経て、余生が残り少なくなった老犬のような唸り声がしたんで後ろを振り返ると、白髭のじいさんが、まだボクのことをじぃっと見てやがるんだ。いや、睨んでるな。
いったい何を睨み付けてやがるんだ野郎は。まだボクに何か用があるのか?
何か、「まだお礼を聞いてないぞ。」とでも言いたげな表情を読み取れるけど、一礼したじゃねーかよ。それに気にしないんじゃ無かったのか、グランパ?
わかんないなあ、年寄りって。
まあそれでもまだ何か不満があるってことは、ボクの配慮か何だかが足りなかったからなんだろうな。
仕方がない、ボクは神父として折れるよ。なんかいつまでもこのままの状態でってのも、くだらない時間だからね。
そこでボクは、より神父らしい御礼の言い方を考えたな。
そこまでして男の期待に応える必要は無かったがまあ、あれだろ?
そういうヤツなんだよボクは。
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